月刊 老施協 2020年3月号

ニュース月刊老施協

特養は地域の大きな財産 地域共生社会の拠点として期待

対談相手:大橋謙策/公益財団法人テクノエイド協会 会長

公益社団法人テクノエイド協会は、福祉用具に関する情報の収集や提供、臨床的評価、福祉用具関係技能者の養成などを行う団体です。この協会の理事長で、ソーシャルワークの専門家でもある大橋謙策さんに、協会の事業について、またご自身がかかわってこられた地域福祉の今後の展望などについてお話をうかがいました。

そのだ:大橋さんが理事長をされている公益財団法人テクノエイド協会は、福祉分野のIT機器・ロボットなどの普及・利活用の促進に向けた活動を展開されておられます。介護の人手不足への対応とうことで政府も注目するところですが、ご利用者のQOL(生活の質)の向上にもつながる取り組みだと思います。

大橋:業務の効率化が注目されがちですが、サービス利用者のQOL、介護従事者の労働安全衛生、さらには「3K職場」のイメージを払しょくし、働き甲斐のある職場の創生にもつながるものと自負しています。

そのだ:施設の職員だけでは、適切なIT機器・介護ロボットの選択や導入、活用は難しいかもしれません。ケアマネージャーもそうしたことを熟知しているわけではないでしょうし、日常のケア業務だけで手一杯な一面もあります。

大橋:おっしゃる通りです。現場の何を改善したいのか、それに見合う機器にはどのようなものがあり、どう使えるか。こうした知識を備えたうえでシュミレーションできる人材が必要です。私どもで認定している資格に、適切な福祉用具の選択や使用方法をアドバイスする福祉用具プランナーという福祉用具専門相談員の実質的な上級資格があります。この有資格者を全国の地域包括支援センターに配置できればよいのですが。

そのだ:地域共生社会を考えていくときは、大橋さんが取り組んでこられたソーシャルワークの知見を深めていく必要もあります。

大橋:私はアドバイザーとして2000年に長野県茅野市で「地域トータルケア」と銘打ち、保健福祉サービスセンターで子ども、障害者、高齢者を対象にしたワンストップサービスを行いました。これを厚生労働省が介護保険制度に持ち込んだのが、今の地域包括支援センターだと思っています。

そのだ:特養の理事をされている時、特養で障害者や子どものショートステイを実施されるなど、地域共生社会を先んじた取り組みも実施されたそうですね。

大橋:制度に縛られずに発想すれば、社会福祉法人ができる地域貢献事業はいろいろあります。たとえば、私の教え子の一人は富山県で6町歩の休耕田を活かして米をつくり、特養に納入しています。農福連携による地産地消です。特養は地域社会にとって大きな財産です。全国の特養が地域共生社会の拠点として大いにその機能を発揮することを期待しています。

そのだ:今後も、いろいろご助言をいただきたいと思います。

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