月刊 老施協 2019年10月号

ニュース月刊老施協

働きやすく・魅力ある職場づくりに経験を活かしていきたい

対談相手: 北條憲一/全国老施協専務理事

今回は、10月1日から常勤の役員として全国老施協の専務理事に就任された北条憲一さんをお招きしました。北條さんは元厚生労働省審議官で、在任中はハローワークの改革や生活保護受給者やホームレスなどの就労支援、障害者雇用政策などに携わってきました。我々の仲間に加わるにあたり、今後の抱負などについてお話をうかがいました。

そのだ:7月に厚生労働省を退官されるまで、在任中はどのような政策にかかわってきたのですか。

北條:旧労働省に入省し、ハローワークの改革や組織運営に長らく携わったほか、生活保護受給者や障害者、高齢者といった就職弱者の就労支援をキャリアの柱としてきました。退官前は、国と地方の障害者雇用率の不適切計上事案をはじめとする障害者雇用支援政策や、高齢者雇用制度などを担当しました。

そのだ:労働畑でありながら、幅広く福祉の分野で活躍されたということですね。その経験を、全国老施協の活動にぜひ活かしていただきたいと思います。

 今、介護の現場では人手が足りず、施設も稼働できないという事態が起きています。今回の特定処遇改善加算をはじめ、処遇改善を行ってきたのですが、人手の問題は改善されません。求人をどのように進めるかは大きな課題であり、ハローワークなどのご経験から北條さんはどのようにお考えですか。

北條:在任中に現場の改革にもかかわり、医療や介護、建設など人手不足の業種を横断的に見て、働きやすく魅力ある職場づくりについての研究会開催や政策立案に携わってきました。地道な取り組みですが、働きやすく・魅力ある職場をつくり、人材が定着する環境を整えていくことが必要でしょう。

そのだ:そのとおりだと思います。介護分野ではどういった施策が求められるでしょうか。

北條:介護は肉体労働であり、PDCAでケアプランを回す知的労働、利用者と触れ合う感情労働でもあります。それだけに難しい面もありますが、ビッグデータを集めて仕事内容を科学的に分析・構築し、可視化されたキャリアパスとそれに連動した処遇改善を好循環で回していく仕組みをつくることが急務です。全国老施協として、国に政策提言をしていくのと同時に、会員の皆さまに魅力ある職場づくりを訴えていくことも必要で、私も尽力していきたいと思います。

そのだ:全国研究会議や全国大会の分科会では、人材確保の取り組みも大きなテーマの一つです。それを取りまとめて現場の声として集約し、政策立案に反映させていくためにも、これから力をお貸しください。

PDFをダウンロードして読まれる場合は下の青いボタンからお願いいたします。

PDFをダウンロードする