月刊 老施協 2018年6月号

ニュース月刊老施協

スマートウェアで介護現場の悩みを解決

ミツフジ株式会社 代表取締役社長 三寺歩さんとの対談

 
 

ミツフジ株式会社は京都に本社を構える西陣織の会社がルーツ。3代目の三寺歩社長は先代が開発した銀メッキ繊維を使い、IoTを活用した高齢者の見守りなどに効果を発揮するスマートウェアの開発に成功し、介護施設でのテスト導入を始めたとお聞きしました。職員の負担軽減やケアの質向上に役立つ画期的な製品だと思います。早速、三寺社長をお招きし、お話を伺いました。

     
    そのだ:介護現場は深刻な人手不足で、今後も厳しさは増すばかりです。それに少しでも対応するため、先端技術の活用が叫ばれていますが、三寺社長のミツフジ株式会社では、画期的な製品を開発されているとお聞きしました。
    三寺:導電性の銀メッキ繊維のAGpossを使ったスマートウェア「hamon(ハモン)」です。生地は不織布で速乾性があり、銀メッキ繊維を通じて取得した心拍や心電などの生体情報、さらにはトランスミッターの3軸センサーで転倒も検知し、これらの情報をスマホやPCの管理画面に知らせることができます。体調の変化を見守って高齢者の健康管理に役立てたり、転倒事故を早期発見するのが狙いです。昨年10月から、岩手県大船渡市の介護施設で1万着の採用に向けたテスト導入も始めました。
    そのだ:職人にとって、利用者山の状態記録は大切な仕事ですが、相当の負担が伴います。hamon」を使えば、介護記録の手間も減らせられるのですね。施設にとって、何かあればすぐに駆けつけることができるようになりますし、事務作業の軽減により、利用者のさんのケアという本来的な役割により集中できるようになります。
    三寺:もともと銀メッキ繊維はは父が開発したものです。当初は抗菌靴下などに応用しましたが、価格が高いことなどから、なかなか普及しませんでした。私は東京でサラリーマンをしていたのですが、この技術で家業を盛り立てたい、そして繊維不況を改善したいという思いが湧き、会社を継ぐことにしました。入社して使い道を模索していたところIoTとの親和性が高く、最初のは工場のなどで働く方々の見守りに使うことを思いつきました。そして、介護関連の方からお話を聞く機会があり、高齢者のケアにも役立てることができると気づいたのです。もともと織物の会社であったので、肌ざわりはとてもソフトですし、手頃な価格で提供できるよう努めています。
    そのだ:まさに介護の現場では、こうした技術・製品を待っていました。介護の質の向上や業務負担軽減を実現するために、これからも介護業界に、ぜしお力をお貸しください。

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