そのだ修光

そのだ修光

ニュース

月刊 老施協 2020年11月号

現場の声を活かしAIで介護の課題を解決

対談相手:石山洸 株式会社エクサウィザーズ 代表取締役社長

株式会社エクサウィザーズはAI(人工知能)を活用し、介護分野で役立つツールを開発しています。AIの研究者である代表取締役社長の石山洸さんにプロジェクトの内容やAIの可能性などについてお話をうかがいました。

そのだ:石山さんの会社では、介護現場の問題を解決するAIの開発に取り組んでいるとうかがいました。

石山:大学発ベンチャーを母体に、研究者と介護現場の経験者が一緒に作った会社で、介護福祉士や理学療法士などの専門職も15人います。

そのだ:これまでどのようなことに取り組まれてきたのでしょうか。

石山:介護士がケアをしている動画を解析して科学的介護に貢献しよう、というところから始まり、機能訓練のサポートのために高齢者の歩き方を解析するとか、3年後に対象者の要介護度がどうなるかを予測して重度化予防の参考データにするなど、いろいろなことに取り組んできました。

そのだ:科学的介護で要介護度を改善する、という言い方がありますが、目に見える形で「改善」という結果を出すのは容易ではありません。

石山:たとえば、要介護4のまま、なかなか改善しない、と評価される人も、AIによる予測で分析していれば、実は90%の確率で要介護5になっていたはずですが、4で維持できている、というような評価も可能になります。

そのだ:ケアのがんばりを可視化できれば、職員の励みになりますね。

石山:ほかにもハイパフォーマーの介護職員の行動などを解析すれば、新人教育に役立てられるなど、AIにはさまざまな可能性があります。

そのだ:介護分野は、深刻な人手不足の状況ですが、業務の負担軽減につながるようなものはありますか。

石山:新しく開発しているのが、高齢者と会話をするだけで介護記録のデータが集まる音声認識ツールです。開発にあたり実証実験をしていただいた施設の方から「スマホの音声認識機能だと固有名詞である入居者さんのお名前が入力しにくい」というご指摘をいただき、別の実装方法を試したところ、スムーズになりました。実用的なツールの開発には介護施設とのネットワークが欠かせません。今回の対談が全国老施協の皆さんのご意見をいただける機会につながればと願っております。

そのだ:石山さんのように専門の異なる方の視点で見ていただければ、介護現場で直すべきところもご指摘いただけると思います。菅義偉首相のもと行政デジタル化が推進されるなか、介護分野においてもテクノロジー導入の機運が高まるでしょう。ご活躍を期待しております。

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