介護保険の費用抑制のため、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2015)」で検討されている要介護度が軽い人へのサービス見直しのうち、特に身近な福祉用具レンタルの全額自己負担化方針に、現場から悲鳴が上がっている。
いったいどこを向いて制度を作るのか?
高齢者の自立を支え、健康寿命を延ばすのが、介護保険制度の目標ではないのか?
高齢者の健康寿命を阻害するリスクイベントとして「転倒」が上げられるが、転倒は住宅環境を整えたり、運動をすることによって防げることも分かっていることである。福祉用具貸与によって、高齢者の健康寿命を少なからず延ばしているはずだ。
福祉用具貸与が利用できなくなった場合、
福祉用具によって外出できていた人が、閉じこもりになったら。
福祉用具によって一人で住むことができていた高齢者がもう一人住まいできなくなったら。
訪問介護ヘルパーに代替したり、重度化して施設に入りたいといったって、現場は介護人材不足。現場の介護人材不足にも拍車がかかる。
全体像を観て、制度設計しなければならないのではないか。