第3回認知症関係団体ヒアリング

近況報告

介護を守り、アップデートする参議院議員そのだ修光です。

本日は、自民党社会保障制度調査会介護委員会で、認知症関係団体ヒアリングを行いました。

冒頭、田村憲久委員長より、「認知症基本法の立法化に向け、与党内の議論をしていくなかで、内閣にも近づいてきたい。各団体から聞き取りをさせていただいて、取りまとめに向けて、次回以降協議を詰めて参りたい」、との力強いリーダーシップをいただきました。

本全国老施協からは鴻江理事、内田理事に出席いただき、下記の発言をいただきました。フロアには医師免許など医療関係の議員も多く、噛み合ったコミュニケーションができ、大変有意義な会になりました。認知症基本法は大きなメルクマールになると思います。介護現場からの発信を行っていき、日本の認知症介護をより良いものとしていきましょう。

鴻江理事より、

  • 全国老施協では、今年で32回目の研究会議を実施し、H29高知会議においては、パードンセンタードケア、すなわち、おしつけの介護ではなく利用者本位のケアへという理念を共有した。また、社福の取り組みとして、早期発見、対応ができるような訓練を進めている。
  • 個人情報保護の壁が高齢者世帯の情報の融通がしにくい状況がある。顔認証が100%の確率でみつけていくような国もある。
  • 介護と医療との連携の重要性
  • 薬剤の問題がある。人材確保でも苦慮しているのは、BPSD。BPSDを発症する利用者へのケアを要するものとして、薬の影響が強い。そのなかで微調整しながら改善につなげていった事例がある。2分おきに55回ぐらいのナースコールを鳴らすケースもある。薬剤の見直し等によりBPSD等の改善の事例がある。
  • 現在の調査研究ではメディカルネットワークが進んではいるものの、医療サイドがほしい情報と介護側がほしい情報は異なるケースが多い。せん妄の対応の仕方、医療機関との情報連携も欲しいということがある。そのあたりの調整が必要。
  • 介護側としては医師にはなかなか言い難い部分があるのは事実ではあるのだが、薬剤投与後の生活は、介護職員、生活をみている人たちがしっかりと記録をつけておくなどして、情報提供をできる体制にしていく必要がある。過鎮静になったり、BPSDが顕著になった場合には医師にしっかりと伝えていくということ。また、向精神薬だけでなく、パーキンソンの薬剤等でも問題になることがある。お互いに、介護は介護で情報を伝え、医師にも耳を傾けていただきたいところはある。コミュニケーションの改善により、薬剤によるBPSDの改善は少し緩和してくるのではないかと思う。
  • 在宅におけるBPSDの問題について。地域包括支援センターが浸透してきていると思うが、ネットワークでも力をいれていると思う。しかし、普及が足りないと感じる。
  • 認知症介護フォーラムを開催している。国民性、生活文化の違いは感じる。北欧と日本式介護は違う。輸出してもいいぐらいではないかと考えている。今回開催するのは医療と介護の連携、情報シート、連携のためのツールの展開について、医療とあわせてフォーラムを開催したい。関心あるかたは是非参加を。
  • 成年後見について、遠方に身内がいるケースについては、公正証書が一番よいが、時間がかかるとか、高額であるといった課題はある。身近なものにしなければならないが、市民後見についてはなかなか責任が重たすぎる。

内田理事より、

  • 要介護認定を見直すのは難しいが、認知症の評価が非常に重要であると考える。
    例えば、特養への入所条件として、Ⅲa以上であれば要介護2であっても入れるといったことにしないと対応できないのではないか。緩和や対応の方法をご検討いただきたい。
  • 医療と介護の連携が必要であるし、介護事業者同士の連携も必要である。我田引水ではなく、1人のひとをどう救えるかという情報交換を行なっていく仕組み、横の連携が非常に重要になると思う。
  • 人材不足について。すべての事業者において深刻な問題。さらに加速する。人の効率化、見守りの機器等々を活用しても限界はある。あらためて人員配置の現実的な見直しを今一度話し合っていく時代がきたのではないか。東京都において、特養ができても稼働できない事例はある。人がいないから。先生方とも意見交換しながら解決していきたい