公正取引委員会の不公正調査報告書

近況報告

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今朝は自民党の介護に関するプロジェクトチームでした。本日の議題は、前回の続きである公正取引委員会の介護分野に関する調査報告書が議題でした。公正取引委員会が介護分野について調査・提言を行う根拠や、介護分野を対象に選定した経緯、本件の調査方法等についての説明がなされましたが、どれも具体性に欠くものであり、会場の国会議員は到底納得のいくものではないばかりか、”矩を超えた”対応でした。今後、公正取引委員会のあり方自体を問う必要が出てきています。

今回、報告書のもととなった調査は、ヒアリング調査が株式会社21社に対して、社会福祉法人は4法人がベースとなっています。非常に不公平な調査がベースであることが指摘できます。

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私が、危惧しているのは、公正取引員会は何も現場のことが分からないままにこの提案を出してきていることです。今でも、社会福祉法人は比較的容易に設立でき、また株式会社でも有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅を特定施設として運営することができます。また、自治体は特養の指定管理先として株式会社を選ぶことはできます。しかし、株式会社が指定管理先になっている事例は皆無に等しいのが実態です。このような実態にも関わらず、株式会社に参入させるとどのようなことが起きるのでしょうか。

不公平な調査報告の内容をひもとくと、特別養護老人ホームに株式会社の参入を認めるときに、「条件次第で設立・運営」をしたい、と応える事業者が50%を占め、その条件の一つとして「特定施設と同程度の利用料の設定の自由度」を上げてきている事業者が45.7%います。特養運営の現場の実態は、人手不足で稼働できないベッドも増えてきている、そして、特養ユニットのホテルコストさえも払えず、多床室の空きを待っている要介護者がたくさんいるというのが実態です。市場原理からすると、人手不足により供給は足りていないので、値段は上がります。また、社会福祉法人でも介護報酬切り下げによりぎりぎりの運営をしているのに、株式会社による運営で価格を下げるというのは非常に難しいでしょう。特養までもが利用者を選ぶようになってしまったら、多くの要介護者はどこにいけばいいのでしょうか。高齢者は貧富の格差が大きく、今後も、現状の世帯状況や雇用状況を考慮すると低年金や無年金の高齢者は増えると予想されます。

そもそも、公正取引委員会は「介護分野は競争がない」と指摘していましたが、株式会社とは競争していなくても、介護保険制度という準市場のなかで、すでに特養間ではご利用者様へより良いサービスを提供する競争をしています。

自らの役割をしっかりと理解し、制度自体のことを勉強し、そして、どのような社会保障制度であるべきかということを考慮した上で「提言」をされるべきだと思っています。