そのだ修光

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月刊 老施協 8月号

介護人材を呼び込むためにはより一層の努力が求められる

武内和久 マッキンゼー・アンド・カンパニー シニア・クライアントアドバイザーとの対談

そのだ:介護保険制度の導入から17年、人材確保の問題に今、多くの施設が頭を悩ませています。この現状をどうご覧になっていますか?

武内:先日、ある特別養護老人ホームで1週間ほどインターンとして実際に働き、現場での人材不足を痛切に感じました。しかし、工夫の余地はあるとも思っています。一口に“介護人材”と言っても、上をめざしたい人もいれば現場での仕事にずっと従事したい人など、さまざまです。それぞれのキャリアに応じた対応を行っていくのが重要だと思いますし、国と事業者が協働して取り組むべきでしょう。

そのだ:まったくその通りです。私も鹿児島の社会福祉法人の理事長として、離職者の問題には頭を悩ませてきました。ちょうど7年前、「このままではいけない。利用者様の尊厳を守るには、まず職員の尊厳を守ることから」と考え、改革に取りかかりました。現場の意見を吸い上げ、一つひとつ変えていくための努力を重ねた結果、離職者は激減し、新規採用も増えました。

武内:素晴らしいお話です。最初に理念をしっかりと定め、職員に寄り添うことで離職率が下がっていく。これはすべての事業者の方にとって、出発点だと思います。措置時代の半官半民的な意識からうまく抜け出し、新しい経営人材マネジメントに移行できたところだけが生き延びて行けるはずです。職員個々に成長実感をどう持たせるのか、そして、それに対する報酬をどう考えるのかが基本でしょう。人事・採用・育成・定着と、大変に手間はかかりますが、避けて通れません。すべての産業で人材の奪い合いが激化するなか、介護業界に人材を呼び込むためには、より一層の努力が必要だと思います。

そのだ:そこで大きな問題となるのが、職員の処遇改善の問題です。チームケアで成り立つ介護現場で「介護職だけに限る」では、職員の理解が得られません。

武内:介護業界に限らず全国老施協も、厚労省から投げられたボールにどう対応していくか、やや受け身的なところがあるように以前から感じていました。介護は今、本質的な部分が再定義されるタイミングに来ています。業界の将来像をしっかりと打ち出していける集団になる必要があるでしょう。

そのだ:私たちにとって、大事な提言です。積極的に提案をしていく組織に生まれ変わろうと皆一丸となって頑張っていきますので、ぜひ力を貸していただきたいと思います。

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