職員やる気UPの処遇改善加算となるか?!

近況報告

いよいよ4月(平成29年度)から新たな要件を含む、処遇改善加算が始まります。

新たな要件とは、

事業所内で(1)経験年数(2)資格(3)事業所内での評価―のいずれか(組み合わせも可能)に応じた昇給(基本給、手当、賞与などを問わない)の仕組みを設け、これを就業規則等の明確な根拠規定の書面での整備・全ての介護職員への周知している(キャリアパス要件III)

これまでの要件との違いは、下記の引用になります。

キャリアパス要件Ⅰについては、職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備することを要件としているが、昇給に関する内容を含めることまでは求めていないものである。一方、新設する介護職員処遇改善加算(以下「加算」という。)の加算(Ⅰ)(以下「新加算(Ⅰ)」という。)の取得要件であるキャリアパス要件Ⅲにおいては、経験、資格又は評価に基づく昇給の仕組みを設けることを要件としている。

つまり、理論的には職員のサービスの質の向上に対するモチベーションを高められる仕組みになっています。

これまでよく聞かれていた声は、

「職員の個人差が大きいが、それらの個人差に関わらず給与を支払わなければならないため、職員のやる気が削がれている」

ということでした。私も、処遇改善加算についての議論のなかで、何度かこの話を行政側に伝えてきました。この処遇改善加算が職員のやる気アップに寄与することを期待しています。

しかし、これで全てが解消されるとは思っていません。

やはり、長く介護業界にいて、様々スキル(介護技術だけではなく、マネジメントスキル等)を身につけていく人たちが、その人たちの子どもに対して良質な教育を受けさせるために相応の教育費を出せるだけの給与を支払えるような業界にしていく必要がある、と私は考えています。そうでなければ、人は集まりません。

子どもを養育できないような業界に、就職したいと思いますか?就職させたいと思いますか?

よって、具体的には、「医療介護総合確保基金」等を人材確保のための費用にあて、より体系的で、抜本的な処遇改善加算、キャリアアップの仕組みを作るべきだと私は考えています。
もう一方の車輪は、ICT化をどんどん進め、現場の効率化を図ることです。将来的にはIoTも進み、AIを利用して、省力化できるところも増えてくると思います。そのためには、変化による一時的な混乱にどうにか現場が耐えなければならないこと、導入コストの問題、無線LANの問題等、痛みが伴いますが、今介護現場で働いている方々の負担の軽減、現在・将来の人手不足のためにも、私たちは取り組むべきなのだと思っています(私の運営していた特養でも、今、ICT化に力を入れています)。

引き続き、行政側ともコミュニケーションを取って行きたいと思っています。みなさんも私にご意見等お伝えいただければと思います。
よろしくお願いいたします。

こちらは、介護報酬改定のQ&Aです。
詳しくは、こちらをお読みください。
「平成 29 年度介護報酬改定に関する Q&A(平成29年3月16 日)」の送付について 厚生労働省老健局振興課・老人保健課